“見える化”から“場づくり”へ 〜 レオパレス21の健康経営

2018/02/28
by 編集部

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健康管理室をより身近に

健康経営への取り組みは、まず、全社員に健康意識調査を行うところから開始された。
「ポイントは可視化です。朝食を摂らない人の割合、健康診断の有所見者の割合、喫煙率などさまざまな項目を数値で示し、ウェルネスレポートとして発信。世間一般と比較することで、課題意識を高めていきました」(寺嶋氏)。
同時に、本社に健康経営の拠点となる『健康管理室』を設置。保健師による二次検査の受診勧奨や保健指導による疾患の未然予防・重症化予防に取り組むとともに、メンタルヘルス面でも職場復帰支援制度や病気治療と仕事の両立支援制度などを整備した。二次検査の受診勧奨が主な仕事となる保健師の五十嵐萌子氏は「人間ドックで二次検査になった際、すぐ検査に行かれる方が多いものの、生活習慣病の場合は自覚症状が出ていないだけに足が向きにくい傾向があります。健康管理室では、そうした方に病気の危険性を正しく伝えていきたいと思っています」と話す。

保健師の五十嵐萌子氏

医療機関への受診勧奨を担当する五十嵐氏は、「自覚症状がないぶん、行動に移りにくい生活習慣病予備軍の従業員に、“自分ごと”と感じてもらえるよう働きかけたい」と話す

また、精神科外来での経験を持ちメンタルヘルス対応を担当する作業療法士の森勇人氏は「再発率が高い疾患なので、戻ってきてからの手厚いフォロー体制が重要になります。上長の方にしっかりみていただきながら、わからない点は専門家に聞いていただく、人事に相談いただくといった連携が重要になります」と話す。

作業療法士の森勇人氏

「メンタルヘルス疾患からの復職やリワークにかかわれる点に魅力を感じた」と話す森氏。企業で働く作業療法士は、まだまだ珍しい存在だ

多職種が連携する場合は職種間のコミュニケーションが問題となる場合もあるが、同社ではフィジカル・メンタルの産業医双方が保健師の五十嵐氏、作業療法士の森氏と同組織であり、こういった体制もスムーズな連携に一役買っているという。
人事部ではさらに、産業保健スタッフと社員とのかかわりにも目を向ける。社員向けのイベント『健康フォーラム』に五十嵐氏が出席したり、社内ブログで2人を紹介したりすることで、健康管理室のスタッフの人となり・業務内容を全社員に知ってもらうのだ。
健康管理室をより身近な〈場〉として認識してもらうため、「顔の見える仕組み」(寺嶋氏)の構築に力を入れる。

健康意識の高い企業風土に

今後の目標は、「社員全体の健康への意識をより高めていくこと」(寺嶋氏)。現在、健康管理室は産業医2名に五十嵐氏、森氏の4名体制だが、全社員をより手厚くフォローするため、今後、専門家を増やしていくことも考えている。
新たな取り組みとしては、2017年5月から『レオフィット運動』と称する啓発活動を開始。会社への適合(=フィット)と健康(=フィット)の2つを軸に施策を打っている。
さらに、健康診断結果の12項目を使用して算出される指標である「健康年齢」のサービスも活用。自身の健康状態の把握に役立ててもらいたいとしている。
「こうした取り組みを通じ、企業全体の健康リテラシーを高め、具体的な運動習慣などにつなげていければと考えています」(寺嶋氏)。
見える化を通じた健康意識の醸成と、場づくりを通じた施策の浸透。積極的な働きかけを段階的に進める同社の取り組みの成果に期待したい。

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