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トップダウン&水平展開で目指す、パチンコ業界の〈健康モデル企業〉

2018/03/07 編集部
by 編集部

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トップダウン&水平展開で目指す、パチンコ業界の〈健康モデル企業〉

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写真前列左から、保健師の板橋尚子氏、マルハン健康保険組合 常務理事の田端直樹氏、保健師の松橋理恵氏・長谷川愛美氏。後列左から、臨床心理士の清水岳史氏、人事部の佐々木剛氏。人事担当者、保健職、健保組合が一体となって健康経営の施策を進めてきた

全国に320店舗のパチンコホールを展開するマルハン。多店舗展開するサービス業として、従業員の健康管理の在り方を早くから模索してきた。健康保険組合と人事課の健康管理チームが連携して進めるコラボヘルス。健保、会社組織、労働組合の垣根を越え、全社で取り組むマルハンの健康経営に注目する。

健康管理のあり方を独自に考える

マルハンが従業員の健康管理に本格的に取り組みはじめたのは11年ほど前。創業50周年の節目に健康保険組合を設立、同時に社内組織として健康に特化した健康管理チームを人事課内に設置した。
会社が急速に成長していた当時、売上が1兆円を突破し社員も1万人を超えるなか、従業員の健康管理は会社の責任としても大きな課題だった。定期健康診断の受診率を上げ、保健指導するといった基本的な部分からスタートし、地道に土台を整えてきた。
マルハン健康保険組合 常務理事の田端直樹氏は、「現在の労働安全衛生法は戦後の高度経済成長期に、当時の労働人口の多くを占めていた重厚長大産業メインに整備されたものです。産業構造が第二次産業から第三次産業にシフトし、働き方が多様化するなかで、現行法では対応が難しくなっている。多店舗展開するサービス業として、独自の健康管理のあり方を考えていく必要がありました」と話す。
マルハンでは、“健康で人生にヨロコビを!”をスローガンにマルハン健康宣言を掲げ、健康への取り組みに対する7つの方針を提示。この健康宣言と7つの方針に基づき、健康管理チームと健康保険組合が一緒になって従業員の健康にかかわる施策を考える、コラボヘルスの体制を整えている。

企業として成長を続けるなか、社会的責任のひとつとして社員の健康維持に取り組んできたマルハン。サービス業における健康経営のあり方を探っている

企業として成長を続けるなか、社会的責任のひとつとして社員の健康維持に取り組んできたマルハン。サービス業における健康経営のあり方を探っている

マルハン流、禁煙対策

マルハンでは年に1~2回健康診断を実施しているが、健診後、保健師から生活習慣病の予防・改善のアドバイスや受診勧奨を行っている。健康管理チームの保健師である長谷川氏は「全国に店舗が散らばっているため、コミュニケーションはどうしても対面ではなく電話になります。話に耳を傾けてもらう関係づくりに気を配っています」と話す。開始当初は“忙しいのに…”といった否定的な反応もあったが、健康管理チームの活動が社内で認知されるにつれ、コミュニケーションもスムーズになったという。
パチンコ業界という業界柄、従業員の喫煙率の高さが大きな課題だ。健康管理チームでは、5年ほど前から、マルハン流禁煙対策に力を入れる。
保健師の松橋氏は「健診結果をまとめたところ、厚労省調査の成人喫煙率約20%に比して、当社の喫煙率は60%。何か手を打つ必要がある、と対策を始めました」と話す。
従業員50名以上の店舗で、産業医同席のもと毎月開催する安全衛生委員会を利用し、禁煙パッチやガムを配ることから始め、保健師が各店舗に足を運んでの『禁煙セミナー』なども行う。セミナーは、煙草がどんなものか、健康への影響、やめたいと思ったときの治療法などスタンダードな内容。

喫煙率低下には、段階的な対策が重要だと話す保健師の松橋氏。セミナーでの啓発に加え、役職者が喫煙していると部下も喫煙しやすいという状況を踏まえて役職者へのアプローチも行う

喫煙率低下には、段階的な対策が重要だと話す保健師の松橋氏。セミナーでの啓発に加え、役職者が喫煙していると部下も喫煙しやすいという状況を踏まえて役職者へのアプローチも行う

「“絶対にやめるべき”とは言わず、煙草が将来的に健康にどのような影響を及ぼすのかを考えるきっかけをつくりたいと思っています」と、同じく保健師の板橋氏。
また、年1回のストレスチェックでメンタルヘルスにも気を配る。臨床心理士の清水氏は「全国に3万人を超える臨床心理士のなかで産業保健領域に携わる心理士は約2%です。企業のなかに心理士を置くこと自体が、まだまだ少ない状況です」と話す。
そうしたなかで、いち早く企業内に臨床心理士を置いたマルハンの取り組みは先進的なものだ。

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