コラム

ドアひとつで認知症患者に変化が生まれた。迷ったり別の部屋に入ることが激減。

2017/02/03 編集部
by 編集部

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迷ったり別の部屋に入ることが激減

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2014年、オランダのティルブルグにある認知症患者が入院する介護施設では、ドアを彼らが住んでいた自宅の正面玄関と同じように見えるドアデザイン(既存施設のドア表面にシートを貼った)に変えた。すると、自分の部屋のドアを認識しやすくなり、社交的関わりが活発化した。家族も面会に来るというよりも訪問している感覚になっているという。

ドアの魔法?

2014年春、オランダのティルブルグにある認知症患者が入院する介護施設で、あるアイデアが実施された。

それは、「True-doors(ステッカー・ドア)」(様々なデザインのドアを写真に撮り、粘着シートに加工し、既存施設のドアの表面に張り付けるもの)を、施設の画一化した無機質なドアの一つ一つに、貼るものであった。

17人の施設住民は、準備された何種類かのドアデザインの中から、気に入ったステッカー・ドアを選んだ。 彼らが選んだドアには、共通した類似点があった。もっとも典型的なのは、彼らが住んでいた家の正面玄関と同じように見えるドアを選択したという点だ。うち 5人は、パーソナライズされた、まさに自宅のドアを受け取った。後にこれは、最も魅力的なドアを見つけたことを意味する。

ドアを変えると変化はすぐに表れた。今まで、部屋から出てしばらくすると、自分の部屋がどこなのか分からなくなっていた人が、迷うことなく自分の部屋に戻れた。また、別の部屋に間違えて入ってしまう事が少なくなった。驚いたことに、他の人の部屋に入る前にノックをするようにもなったという。

介護施設にアットホームな雰囲気を

このプロジェクトを推進させたTrue-doors開発者のRahzeb Choudhury(executive director)は、「認知症患者が、家庭にいるような気分で、 安心して暮らしてもらえるような生活環境を作りたかったから」とそのコンセプトを語る。

True doorsは生活の質を上げ、患者中心のケアにとって様々な効果を生んでいる。画一的な施設のドアを、オリジナルなドアに変えただけで、介護施設にアットホームな雰囲気を生み出した。施設住民は、社交的関わりが活発化したのは勿論のこと、あわせてプライバシーの保護や安全の確保につながり、施設内の秩序が向上した。

住居者は自分の部屋のドアを認識しやすくなり、自身の認識での行動が活性化することで、記憶力も刺激されているようだ。

職場環境がより快適になったことから、施設管理者にも好評なことは、言うまでもない。

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