医療施設のエネルギー消費量削減
2017/02/20


パリ協定の発効を受け、2030年までに2000年比で温室効果ガス30%の削減目標を掲げる東京都。電力使用量が大きい医療機器や省エネが難しい病棟などを抱える中小病院の省エネ対策はどの程度進んでいるのだろう。
「地球温暖化対策報告書」を提出し、エネルギー使用量を把握
医療施設は24時間機能するナースステーションやエネルギー消費量が高い厨房、電力負荷が高い医療機器等を抱え、エネルギー消費量、CO₂排出量が多いことで知られている。しかも、患者が常駐する病棟等では省エネ対策を実施することが難しいのが現状だ。
東京都環境局よれば医療施設のエネルギー消費原単位の平均値はホテル等の宿泊施設を下回るものの、商業施設を上回る2875MJ/㎡と他業種に比較して大きい。
近年、政府や自治体では業務部門をターゲットにした温暖化対策を強化しているが、中でも医療施設のエネルギー消費量の削減が課題となっている。
昨年11月、2020年以降の温暖化対策の新しい国際的枠組み「パリ協定」が発効。今世紀後半までに、CO₂の排出と吸収を均等させ実質ゼロにするという目標を設定した。すでに東京都でも、2030年までに2000年比で温室効果ガスを30%、エネルギー消費量を38%削減するという意欲的な目標を掲げている。
病院の電力消費状況
設備投資をした省エネルギー対策の内、照明と空調の設備改善が約80%を占めています。病院では様々な種類の照明設備が使用されています。用途に合わせたLED照明器具を採用することで、より効果的な省エネ対策を講じることができます。
出典:一般財団法人省エネルギーセンター「病院の省エネルギーポイント」より作成
連載記事一覧
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Vol.2 | 迫りくるリスク! 温暖化の影響と将来予測 |
Vol.3 | 明日の日本経済を 真剣に考えれば 省エネへの取り組みは 中途半端で終われない |
Vol.4 | 災害拠点病院としてのBCP機能も充実 |
Vol.5 | 透析室を中心に省エネ59%大幅削減達成 |