知ってた?? 生活者うちの病院に興味ないってよ

- ネットの普及で「医師からの紹介ではなく、患者さんが病院を選ぶ」ケースが増加
- HPの「医師紹介ページ」はキラーコンテンツ
- チラシの情報量は極力減らす。受け手は誰かを考え、何を伝えるべきか、絞り込む
このセッションタイトルを見て、思わずドキリとした方もいるのではないだろうか。本サミット最初の演者は、小倉記念病院にてさまざまなマーケティング・広報施策を実践してきた松本卓氏と、その施策をデザイン面で支えてきた青野高広氏。
近年の生活者の動向と、紙媒体・Webそれぞれの特徴を活かした広報戦略を紹介した。
Session 01生き残るための病院マーケティング戦略
小倉記念病院では、初診の患者さん700人に対して同院を選んだ理由をアンケートにて調査。すると「ネットの普及で患者さんが自ら検索して病院を選ぶケースが増えた」ことが明らかになった。
今、病院でもHP、SNS、広告などのツールを使うようになっている。しかし「ただ使えばいいというものではない。誰に選ばれたいのか、強み、競合などを考え、そのためのコミュニケーション方法を練るべき」と松本氏は話す。
そのために、同院ではまずHPを見直した。「アクセス数が特に多い医師紹介ページは静止画から動画に。人柄が伝わりやすくなり、ページの滞在時間が増えました」。
そして、一般の生活者に向けては、市民公開講座を通してブランディングを行う。多くの人の目に留まるように、告知チラシを作成し地域の市民センター等に設置。「紙でのPRとwebでのPRを、目的に合わせて使い分けることが重要」だと松本氏はいう。そして、実際の講座の会場では待ち時間に動画を流す。
「講座にいらっしゃるのは、高齢の方が多く、時間より早く来場する方も多いです。待ち時間も貴重なPRの時間なので、医師による疾患の治療法の解説動画を流しています。講座後のアンケートで“○○の病気になったらどこの病院に行く? ”と尋ねると、治療動画がある疾患は、”小倉記念病院”を選ぶ傾向にあります。これは参加者をファン化することで、地域で情報を拡散してくれるインフルエンサーにすることも狙いです」。
青野氏はデザイナーの視点から「一般に、病院のチラシは情報量が多すぎる」「部署ごとにつくると病院のイメージが統一できない」という課題を指摘。「広告は課題を解決することが大前提。受け手の目線になってつくりましょう」とアドバイスした。
連載記事一覧
Vol.1 | 知ってた?? 生活者うちの病院に興味ないってよ |
---|---|
Vol.2 | 行動変容の仕掛け方 |
Vol.3 | 本当に来て欲しい人は誰? ~病院のための「コンテンツターゲティング」のススメ |