コラム

豪州クイーンズランド州のヘルスケアICT戦略

2016/07/15 上瀬 剛
by 上瀬剛

NTTデータ経営研究所 公共行政サービスコンサルティングユニット長、パートナー

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オーストラリアは連邦政府国家である。クイーンズランド州は、同国の中で2番目に大きく(オーストラリアは6の州政府とその他の特別地域で構成)、約170万平方キロの面積に約479万人が住んでいる※1。州都であるブリスベンは人口が100万人を超え、シドニー、メルボルンに次ぐ国内経済拠点である一方、また、州内には、世界からも多くの観光客、サーファー等が訪れる観光都市であるゴールドコースト、グレート・バリア・リーフや様々な国立公園など豊かな観光資源を有する。一方で内陸部には大きな山脈を抱え、サトウキビや小麦を中心とする農業、石炭や銅等の鉱業も盛んである。

同州において優れた医療、健康サービスを提供することは、住民の健康確保のみならず、同地域の経済、社会の発展にも大きく寄与する。特に連邦政府の立法権限は憲法により国防、外交、通商、租税、通貨、移民等の特定の事項に限定されその他は州政府の権限となっており、医療分野でも州政府がイニシアティブをとって地域特性に生かしたICTの活用施策を打ち出している(例:遠隔医療)。また、PDCAサイクルを回すためのマネジメント、評価を定量的に行うとともに、(州内の)地域間で競争を促すことで質の向上を図ろうとしている点も注目される。今後、地方において医療をはじめとする住民サービスが大きな過渡期を迎える日本にとって、ICT利活用およびマネジメント双方で同州から学ぶべき点は多いといえるだろう。

初回では、2014年に見直された医療分野におけるICT活用戦略の土台ともいえる、(非ICTも含む)課題認識と今後の方向性を示したBlueprintfor better healthcare in Queenslandについて解説する。

現状とあるべき姿

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著者

上瀬 剛

上瀬剛 氏

NTTデータ経営研究所 公共行政サービスコンサルティングユニット長、パートナー


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