インタビュー

“納得して生き、死ぬ人生”を支える仕組みづくり

2018/03/23 編集部
by 編集部

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“納得して生き、死ぬ人生”を支える仕組みづくり

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株式会社情報医療・代表取締役の原聖吾氏は、医療の仕組みをつくりかえたいという問題意識をもとに、2015年に同社を立ち上げた。その根底にあるのは、患者が納得して自分の健康に関する意思決定するための手助けをしたいとの思いだ。臨床の場から政策提言、コンサルティングと、さまざまな立場から医療の世界を見続けてたどり着いた起業家として今、何を見据えているのか、これからの展望を語っていただいた。

原 聖吾氏

原 聖吾氏(はら・せいご)
東京大学医学部卒業後、国立国際医療センターにて初期研修の後、米国スタンフォード大学経営大学院に留学、マッキンゼー・アンド・カンパニーにて医療分野のコンサルタントを務める。2014年から再度日本医療政策機構に出向、2015年に塩崎厚生労働大臣の「保険医療2035」事務局にて医療政策提言の策定に従事した後、株式会社情報医療を設立、今日に至る。 横浜市立大学医学部 非常勤講師。

政策提言策定の現場で「医療と情報」に可能性を見出す

原氏は、稀有なキャリアの持ち主だ。研修医として臨床に携わったあと、医療系シンクタンクの日本医療政策機構に参画、医療政策の提言策定に従事。その後、米スタンフォード大学経営大学院に留学、MBAを取得して大手コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し医療分野のコンサルタントとして働いた。そして同社からの出向というかたちで再度機構へ戻る。
臨床医とは異なる道を選び、オンライン診療を柱に起業する決意をしたのは機構での経験があったからだと明かす。
原氏が機構に出向していた2015年、20年後を見据えた医療ビジョンをつくる有識者会議「保健医療2035」が設置され、その事務局で提言策定に従事することになった。このなかで、それまでまったく議論に出たことのなかった「遠隔診療(オンライン診療)」が突如として動き出し、短期間で関連する制度が次々と改革されていく様子を目の当たりにした。
「医療に投じられる資源が限られていくなかで、価値ある医療とは何かをずっと考えており、“医療と情報”が重要なテーマになると感じるようになっていました。診療の要である患者さんの情報は、失われてしまう部分が多い。ここを変えられるのがオンライン診療だと考えました」。
医師と患者のやりとりは一般的には診察室で行われる。このとき医師は患者のさまざまな情報を得るが、データ化されるのは医師がある程度消化して電子カルテに入力した情報のみ。会話のなかでの細かなやりとりや患者の表情などは共有できる情報としては残りづらい。しかし、オンライン診療のシステムでは動画やテキストチャットのやりとりなどをデータとして残すことができる。こうして得られた情報を蓄積し解析すれば、患者一人ひとりにより適した治療法を提案できるようになる。この点に原氏は大きな可能性を見出した。

AI時代における医師の「アート」とは

そして原氏は起業後、無料オンライン診療アプリ「curon(クロン)」をリリース。すでに約600の医療機関で導入されている(2018年3月時点)。随時改良が加えられるシステムにおいて今目指すのは、AIの実装だ。「現状はまだまだ実験段階。AIに十分なデータを与えることができれば、診断などの決定に近いところまで担うことができる」と原氏は考える。そして、「 AIが実装できれば、医療のなかで医師が注力すべきところが変わってくる」と続ける。

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