医師・患者・企業をつなぎ、人生に沿うサービスを

2019/01/07
by 編集部

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テクノロジーで、医師と企業それぞれをサポート

働き方改革の流れで産業保健のニーズが高まるなか、メドピアが産業医活動を行う医師に実施したアンケートでは、回答した約7割が非常勤での勤務であり、1社あたりの平均勤務時間も月2時間未満(図1)。さらに、近年需要が高まるメンタルヘルス診療に不安があると回答する医師も多い(図2)。内科や外科などの身体科と精神科では診療の考え方が異なり、精神科の非専門医がメンタルに寄った問題を診ることは負担が大きい場合もあると石見氏は言う。

1社あたりの平均従事時間(1ヵ月)
産業医として、従業員のメンタル不調や過労の早期発見と対策に十分な役割を担えていると思いますか?

「いつ精神科につなぐか、受診勧奨をするかは悩ましい問題ですし、従業員も自ら産業医に相談しにくいという状況もあります。こういうとき、メンタル面の相談窓口としてfirst  callで精神科の医師が同席しながら対応できれば、産業医の役割をフォローできます。さらに、企業にとっても社員の不調を早い段階で捉えることができる。メンタルヘルス診療に熟練した医師が足りていない現状をシステムでサポートできればと考えています」。

健康経営に取り組む企業の動機は、社員の休職・離職に対する危機感、人材確保のためのブランディングなどさまざまだ。IT企業はメンタルヘルス系の問題が多いという印象から、石見氏は知り合いのIT企業経営者にfirst callを勧めたというが、反応はばらばらだったという。

「このとき感じたのは、働き方改革や健康経営は、経営者・人事側のマインドによるところが大きいのだということ。健康経営を継続していくことで、組織の生産性が向上するというエビデンスがまだないせいもあるのだと思います。具体的なデータが出れば、情勢は一気に変わるでしょう。企業健保も支出が増え続けており、数値的なエビデンスが出れば取り組まない理由はなくなります」。

社会的な時流も、健康経営やオンライン診療を後押ししている。
「10年前に“働き方改革”と言っても、受け入れられなかったでしょう。不幸なことですが、過労死や過労自殺の問題があって、社会の目がそちらに向き始めた。オンライン診療に関しても、10年前だったら医師がネット上で実名で、さらに顔を出して対応するなんてことは考えられませんでした。医師がネットに、表に出ていくという流れは今後も進むと思います」。

事業構想大学院大学での講演の様子

事業構想大学院大学での講演の様子。この日はさまざまな分野での新規事業立ち上げを考える院生向けに、ヘルスケア分野の業界動向や、自身の起業経験について語った

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