語り合いが生む「信頼」の医療

2016/09/29
by 編集部

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地域コミュニティに参加して「きっかけ」をつくる

医師も患者も、信頼関係を築きたい気持ちは互いに同じ。それでは、互い に信頼できる医師と患者として出会うためにはどのような行動をすべきなのか。奈良氏は、健康な時にこそ医師とコミュニケーションを取るべきと語る。その一つの手段が、特定健診などの公的な検診や人間ドックだ。そこで、ここだと思う医院をおとずれて事前に雰囲気を見ておく。また奈良氏は、地域コミュティを利用して医師を探しておくこと、そして、医師には地域コミュニティへの積極的な参加を勧めている。

「町内でイベントがあるようなときには顔を出して、地元の医者と顔合わせしておくのもよいと思います。開業医も地元の会合やイベントに積極的に顔を出していると思います。人間性を知るには付き合わないとわからないだけに、社会的な活動に積極的に参加して話す機会を持つとよいと思います」

また、人によって判断基準が異なる部分もあるが、口コミも大事だと語る。人づてに得られた情報がいろいろと含まれ、役立つときもある。最近は患者さんが自分の望む医療を求めていろいろな医療機関を訪ね歩く「ドクターショッピング」も行われるが、それでは最終的には手遅れになってしまう可能性がある。

「信頼できる医者を早く見つけることは重要です。口コミなど、コミュニティの中で見つけることがやはり大事かなと思います」

チーム教育も行い、全員で患者を受けいれる

他に医師が患者から信頼を得るために行うべきことはあるのか。奈良氏 は、チーム医療を見据えた職員教育と、病院内の整理整頓を上げる。

「今はチーム医療が基本になっていますから。病院では受付や看護師、検査技師などの教育も大切です。受付でつっけんどんにされては患者さんも不愉快でしょう。スタッフ皆んなで患者さんを受け入れることが大事ですね。また、病院内の整理整頓や清掃といった清潔感づくりも重要です。医師の身なりと同様に、患者さんはそこも見ています」

最後に医者本人に求められる条件がある。それは、本人が健康であることだ。医師が体調を悪くしてしまうとミスを犯しやすくなり、診療に影響するだけに、心身共に健康であることは重要。医者はハードな仕事であり、休みでは十分にリラックスしないといけない。

「医者にとっては、患者さんがよくならないこともストレスになりますから、実に多くのストレスを抱えています。それを発散することは大事。私は旅行が趣味でよく出かけますが、ストレスの発散は大事だと実感します」

病気という無形のものを相手にするだけに、医師と患者は互いに隠し事のないコミュニケーションから、信頼のある関係になることを心がけたい。

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