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脂肪肝発症の新たなメカニズムを解明。予防法の開発に期待。

2017/01/20 編集部
by 編集部

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脂肪肝発症の新たなメカニズムを解明。予防法の開発に期待。

東北大学大学院歯学研究科先端再生医学研究センターの犬塚 博之准教授らのグループは、米国のBeth Israel Deaconess Medical Center, Harvard Medical Schoolとの共同研究により、高脂肪食の過剰摂取に起因する脂肪肝発症メカニズムを解明したと発表した。

細胞には、細胞内で不要となったタンパク質を積極的に分解し、除去するタンパク質品質管理機能が備わっている。その中でbeta-TRCP1は、細胞内の幅広い種類のタンパク質に結合し、それらを分解に導くことで、細胞機能の調節に関与すると考えられている。

beta-TRCP1を培養肝臓細胞で欠損させたところ、Lipin1タンパク質が分解されずに細胞内に蓄積し、それに伴い細胞内で脂肪の合成量が減少することを確認した。

この仕組みが実際に生体内でも機能していることを確かめるため、beta-TRCP1を全身で欠損させたbeta-TRCP1ノックアウトマウス※1と野生型マウスにそれぞれ高脂肪食を長期間摂取させ、肝臓における脂肪の蓄積量を観察。その結果、高脂肪食摂取後に野生型マウスで観察される脂肪肝が、beta-TRCP1ノックアウトマウスで抑制されることを発見した。

食生活の欧米化に伴い、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が年々増加している。NAFLDは先進国で頻度の高い肝疾患とされていて、日本では成人の1割から3割が罹患しているとも推定されている。この研究成果により、脂肪性肝疾患に対する有効な予防法・治療法の開発につながることが期待されている。

本研究成果は、Science Signaling誌(電子版)に掲載された。

ノックアウトマウス※1・・・遺伝子操作により、標的となる遺伝子に変異を導入して目的の遺伝子産物(タンパク質)を作らせなくした遺伝子変異マウス。

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