これからの社会の“共通言語”SDGsを知っていますか

2019/02/04 編集部
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これからの社会の“共通言語”SDGsを知っていますか

2030年までに、気候変動や貧困・飢餓の撲滅など、地球規模の課題解決に向けて行動を起こそうという世界的なムーブメントである「SDGs」。現状、日本国内での認知度はまだ十分とはいえないが、昨年から経済界を中心に盛り上がりをみせている。健康・福祉分野でも解決すべき課題が設定されており、この流れは近いうちに医療界にも波及するかもしれない。ここでは、SDGsの基礎知識を紹介する。

SDGsとは何か? 〜成り立ちと歴史

「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」は、産業革命以降急激に活発化した人間活動により、経済・社会の基盤である地球の持続可能性が危ぶまれていることに端を発する。

1972年、マサチューセッツ工科大学のメドウズらにより発表された「成長の限界」は、地球資源をふんだんに使いながら拡大してきた世界経済の成長は、このまま続くと100年以内に限界を迎える、という衝撃的な提言だった。その後、1987年に「環境と開発に関する世界委員会(ブルントラント委員会)」による報告書『我ら共有の未来(Our Common Future)』で「持続可能な開発」の概念が提唱されたことが、SDGsの根底にある。

それからしばらくの期間を経て2000年に開催された国連ミレニアム・サミットにて、SDGsの前身となる「ミレニアム開発目標(MDGs)」が採択される。
MDGsは2015年を目標年として、極度の貧困や飢餓の撲滅など、8つのゴールを設け、加盟各国がその達成に向け努力することとされた。

そして目標年が近づいた2012年、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで「持続可能な開発会議(リオ+20)」にて発表された成果文書『我々が望む未来(The Future We Want)』で環境・経済・社会の3つを統合したSDGsを採択すること、さらに SDGsをMDGsの後継として統合することが決定され、2015年9月の国連サミットでSDGsが採択された。

図 SDGsで掲げられた17のゴール

図 SDGsで掲げられた17のゴール。
SDGsで掲げられたゴールは、地球の持続可能性に直結する環境・気候に関するものだけでなく、人権や教育など、人が安心して暮らしていくためのものも含まれている。

「すべての人に健康と福祉を」というゴール3も、人々が持続可能な活動を続けていく基盤として欠かせないものだ。

ゴールは17に分けられてはいるが、貧困や飢餓の解消は、健康・福祉にも影響するし、健康と安全な水とトイレ、すなわち公衆衛生も切り離せないテーマだ。ゴールはそれぞれ密接に関連しており、個別に達成を目指すというより、すべてのゴールに目を配りながら、各セクターができることを担っていく、という捉え方が適切といえる。

SDGsの17の「ゴール」と、169の「ターゲット」

図に示すように、SDGsは健康・福祉を含む全17のゴールで構成されている。そのいずれもが、人間がこのまま地球で暮らし続けるために解決しなければならない課題であり、それぞれのゴールは重なり合う面も多い。

そのため、どれかひとつを選んで取り組むのではなく、メインのゴールを定めつつ総合的に取り組むべきといえる。また先進国・開発途上国というように経済的・社会的な発展の度合いを問わず対策が求められている課題ばかりだ。まさに「世の中のすべての課題」解決を目指したものであるといえる。

これまでの国際的取り組みでは、各国政府やNGO/NPOがその主な担い手であったが、SDGsではそれ以外の企業・団体・市民の積極的な参画が求められている。そして、各ゴール達成への取り組みは一過性の寄付や支援事業、ボランティアとしてではなく、各主体が「本業を通じて」継続的に取り組むことが重要とされていることも、SDGsの大きな特徴だといえる。

掲げられた17のゴールをみてみると、解決のために、何から、どう手を付けてよいのかわからない…と思われるほど根源的な課題も多い。しかしSDGsが国際的アクションを促すしくみとして優れているのは、これらのゴールが単なる “お題目”にならないよう、手を付けるべき「ターゲット」と、その進捗状況の目安となる「指標」を設けていることにある。

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