メディカル・コミュニケーションが日本の医療を革新する~イノベーションで日本の医療を革新~

2019/04/22 神山 資将
by 神山資将

一般社団法人知識環境研究会 代表理事

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メディカル・コミュニケーションが日本の医療を革新する~イノベーションで日本の医療を革新~

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 医療イノベーションと医療サービス・イノベーションが創る新たな可能性。日本的なコミュニケーション文化を基にした医療サービスは、世界的にも注目されている。

患者や社会が満足する「モノ」と「サービス」の提供

 医療のイノベーションとメディカル・コミュニケーションについて考えてみたい。そもそも「イノベーション(innovation)」とは、新しい知識生産(物)のうち、そこから経済的・社会的便益が得られるものをさす。日頃、医療現場や医療人の会話のなかでイノベーションという語が使われることは少ないかもしれない。しかし、実態としては、萌芽的科学研究からはじまり、医療機器、医薬品、治療法等の開発、医療経営、そして、患者等へ医療サービスを提供する段階まで、医療に関わるあらゆるプロセスにおいて、絶えずイノベーションが起こっている。
 イノベーションは経済的・社会的便益をもたらすことが望まれるものだが、他の分野のイノベーションと比較しても、医療におけるイノベーションは、経済的にも社会的にも圧倒的に大きなインパクトをもたらす可能性がある。国の国際競争力を議論する上でも医療イノベーションが政策的に重視されていることはいうまでもないだろう。
 医療イノベーションを振興するためには、新薬や医療機器の開発など「モノ」としてのイノベーションを引き起こす必要がある。ただし、医療はモノばかりではなく、「サービス」の要素が大きな割合を占める。モノの医療イノベーションは、同時に医療サービスのイノベーションが起きなければ、その便益は最大化できない。

医療サービス・イノベーション

 モノとしての医療イノベーションが起きたとしても、そこから便益を得るためには、実際に医療サービスとして提供され、患者や社会が満足することが前提である。どんなに革新的な医療機器や医薬品、治療法が開発されても、それが臨床の場で患者をはじめとしたサービス受容者が満足する医療サービスとして昇華されなければ意味がない。医療イノベーションと医療サービス・イノベーションはどちらか一方で成り立つものではなく、相互に補完し合っているのである。

独自のサービス文化は日本医療の強み

 日本の医療のサービス品質の高さは、世界的にも注目されている。「おもてなし」に代表されるような、独自のサービス文化は、私たちの医療サービスにも影響を与えているだろう。日本の医療が強みを構築するためには、研究開発による成果のみならず、日本的なコミュニケーション文化を基にした医療サービス・イノベーションの成果が、共に創成されなければなるまい。そこに、メディカル・コミュニケーションの新しい展開の可能性があるだろう。

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著者

神山 資将

神山資将 氏

一般社団法人知識環境研究会 代表理事

国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科博士前期課程修了(修士(知識科学))。独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 産学連携研究員、財団法人政策科学研究所研究員を経て現職。医療サービス科学の研究の一環として、思考スキームに基づいた多職種連携研修を実施中。


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