インタビュー

feasibilityの追求で医療の新たなエコシステムを拓く

2018/03/16 編集部
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feasibilityの追求で医療の新たなエコシステムを拓く

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これまで医師やセラピストそれぞれの経験値で進められることが多かったリハビリテーション。株式会社mediVRが開発した「リハビリテーション支援システム(以下、リハビリ支援システム)」は、VR(virtual reality、仮想現実)技術を活用して均質なリハビリを可能にすることで、医療者・患者双方のストレス軽減とより質の高い治療の実現を目指している。
現役医師として、また研究者としての活動と並行して事業を行う代表取締役社長の原正彦氏に、アカデミアとビジネスの両面から課題に挑む思いを伺った。

原 正彦氏

原 正彦氏(はら・まさひこ)
2005年島根大学医学部卒業。神戸赤十字病院(初期研修)、大阪労災病院(後期研修)での研修後、大阪大学大学院医学系研究科にて学位取得。大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部(特任研究員)を経て、日本臨床研究学会 代表理事、島根大学地域包括ケア教育研究センター 客員准教授。多数のヘルスケアビジネス開発に携わり、midiVRやリサーチマインドの代表取締役を務める。
日本循環器学会 循環器内科専門医、日本内科学会 認定内科医。

リハビリ現場の不満を、VRで解決

2018年1月18日、株式会社mediVRが経済産業省主催のヘルスケアビジネスコンテスト2018でグランプリを獲得した。原氏は同社の代表取締役社長であるほか、島根大学地域包括ケア教育研究センターに所属する研究者、一般社団法人日本臨床研究学会で多数の臨床研究の推進を支援する研究支援者、そして週1回現場に立つ臨床医と、4つの顔を持つ。
リハビリの重要性がますます高まる現在、原氏は循環器内科医として患者のリハビリにかかわるなかで課題を感じていた。例えば「もう少し手を挙げて」と指示があったとき、患者は「“もう少し”とはどのくらいか」と疑問に感じる。指示を出した理学療法士や医師は、意図したことが患者にうまく伝わらず悩ましく思う。「双方にフラストレーションがあった」と原氏は話す。代表理事を務める日本臨床研究学会にも医師や理学療法士から「個別定量的なリハビリができないか」という声が寄せられており、リハビリを定量化するという着想を得て、VRの活用を目指した。
現在のVR技術では、ヘッドマウントディスプレイの中に仮想空間を投影し、そこで何かを体験する方式が主流である。原氏が着目したのは「仮想空間上なら座標を表示できる」ことだった。座標軸上の一点を光らせ、そこを触るように指示を出せば、曖昧さはなくなり、双方のフラストレーションが解決できる。さらに、客観的な指示・評価が可能になることで患者のモチベーションも高まるという。
「よく子どもの身長を柱に記しますが、これは到達度の推移が客観的にわかるから嬉しいのです。リハビリも同じ」と原氏は笑う。また、原氏がVRの活用を模索していたときに出会い、CMO(Chief Marketing Officer、最高マーケティング責任者)に抜擢した榛葉喬亮氏は「この技術で理学療法士間の技術や感覚の差も平準化できる」と話す。
開発の過程では、VRの問題点のひとつである「VR酔い」にも目を向け、これを解決。同システムは今年夏のリリースを予定しており、医療機関や老人ホームのほか、フィットネス領域での導入も想定している。

mediVR

mediVRのリハビリ支援プログラムは、「VR酔い」などへの対策を含め、健康な高齢者での安全性試験を完了している。患者はヘッドマウントディスプレイを装着し、コントローラーを用いてリハビリ運動を行う

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