インタビュー

良質な医療が適切に理解されるために、医療の世界に「マーケティング」を

2018/05/18 編集部
by 編集部

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株式会社ヴァイタリー 代表取締役/先端医療コミュニケーション研究所 所長 竹田陽介氏

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竹田陽介氏(たけだ・ようすけ)

株式会社ヴァイタリー 代表取締役医師/同 先端医療コミュニケーション研究所 所長
2006年獨協医科大学医学部卒業。順天堂大学附属病院、獨協医科大学附属病院、東京工業大学を経て、2014年に株式会社ヴァイタリーを設立。

「よい医療を提供しているのに患者数が増えない」「貢献しているつもりなのに地域で評価されている感覚が少ない」…。日々診療にあたりながらこう感じている方も少なくないのではないだろうか。情報過多の現在、自らの取り組みやアピールポイントは積極的に発信しないと相手に届かず、それは病院・クリニックにおいても同様である。しかし、「伝える」という行為は定量化しづらく、どこか曖昧な領域でもある。
循環器内科医である竹田陽介氏は、こういった課題を解決すべく医療マーケティング支援を行う株式会社ヴァイタリーを創業。この3月には医療領域では初となるであろう病院向けマーケティング・広報のシンポジウム「病院マーケティングサミットJAPAN 2018」を開催した。マーケティング・広報という観点から医療におけるコミュニケーションの改善に取り組む竹田氏に、その思いを伺った。

医療のミスマッチは“もったいない”

「命を救うための医療を適切に推進するためには、良質な医療と患者さんを、そして、情熱をかけて教育に取り組む病院と志の高い若手医療者をマッチングしなければいけない」と語る竹田氏。循環器内科医として一般市民向けに健康や疾患の啓発活動を行うなかで、「病院選びにミスマッチが起きている」と感じたと話す。
「患者さんは表面的な知名度に左右されて病院を選ぶということが少なくありません。専門医が一人一人の患者さんを丁寧に診て真っ当な医療をしていても、十分に知られて評価されていないことがあります。病院がどのような医療を提供しているか、患者さんに正確な情報が十分に届いていないのです。この“もったいなさ”は、社会にとっての不幸だと感じました」。
こうした思いから、世の中に広く想いを伝える“広報”、そして自分たちの伝えたいことを適切な対象に届けるための“マーケティング”を医療の世界にも、と医療マーケティング支援事業をスタートした。

人間の行動は過渡期に。インターネットが病院選びにも影響~経営にも変化が必要

竹田氏は、インターネットやスマートフォンの急速な普及により、人々の情報源が大きく変化していることに注目している。
「今の40代を境に、参考にする情報源が従来のTVや雑誌などからwebなどのオンラインメディアに傾いてきたと言われています。デジタル世代の40代以下の人々が10年20年後に患者となった時、今よりさらにインターネット情報による病院選びが増加していると予想されます。“目の前の患者に集中していれば自然と周りが評価してくれるはず”が必ずしも通用しなくなるかもしれません」。

そこで重要になるのが、オウンドメディア(自らが所有する情報発信源)を使った病院マーケティング・広報・宣伝だが、多くの医師がそれらは医療の世界とはあまり関係がないと思っている。しかし、今こそ取り組むチャンスだと竹田氏は続ける。
「病床数を増やすことは容易ではありませんが、web情報発信の取り組み次第ではインターネット注目度は大きく増加します。小規模の病院がweb情報発信次第で2倍、3倍の病床数の病院と同等のインターネット注目度を得ることも可能です」。

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